オリゴペプタイドの臨床−鯖活性ペプタイド療法−
近畿大学薬学部教授 久保 道徳 著 より
必須アミノ酸(リジン、スレオニン、トリプトファン、メチオニン、フェニ−ルアラニン、
ロイシン、イソロイシン、バリン)は毎日摂らなければいけないということは、食いだめ
がきかないからです。そのほかに、人体でつくることが出来ますが、不足しやすく、
成長期や充分なスタミナ保持のために必ず摂らなければ安心できないアミノ酸が
2種あります。それがアルギニンとヒスチジンです。
これら計10種が〃必須アミノ酸〃になるわけで、これらが欠乏しますとタンパク質
の合成が妨げられるのです。この必須アミノ酸の働きについて少しのべてみます。
【1】 リジン
体の成長要素の大部分がリジンに依存しています。血液はリジンで養われ、
抗体が形成されます。視力障害や筋肉の疲労もリジン不足により起こってきます。
【2】 スレオニン
スレ才ニンによって消化器官の機能が円滑になり、代謝を進行させます。
【3】 トリプトファン
これの作用で赤い血になります。また、若々しい皮膚や、ツヤツヤした毛髪もトリプ
トブァンがなければ得られないのです。また、ビタミンBの機能を助けるので、食欲
増進にも役立ちます。脳や交感神経終末などの神経伝達を担う役目もあり神経機
能の促進に役立ちます。
【4】 メチオニン
毛髪の発育を刺激したり、肝臓の解毒作用を活発化させます。
また甲状腺を刺激してチロキシンというヨードを含むホルモンを分泌させるので、
精神安定、神経活動、血管保護の効果果があります。
【5】 ロイシンとイソロイシン
ともに鎖式(脂肪族)アミノ酸で、タンパク質をつくるために不可欠なものです。
【6】 バリン
頭脳活動、筋肉運動の調整、情緒の安定などを保つ大切な働きをします。
【7】 フェニールアラニン
腎臓機能を保待する働きをし、尿排泄を正常にコントロールします。
この代謝障害を起こすと、フエニ−ルケトン尿症といって、1種の白痴と称する
疾病を起こします。
【8】 アルギニン
セックスに強くなるアミノ酸として知られています。精子の頭の部分は主として
アルギニンでできています。欠乏すると性障害、不妊症にもなります。
さらに肝臓庇護作用、老廃物の無毒化と結合を防ぐ作用があります。
【9】 ヒスチジン
頭脳や神経はヒスチジンによって刺激され、養われています。
このようにアミノ酸は、数十万の原子が組み合わされてできた
巨大な分子でその粒子は動物種と植物種とをもっていて活動性があり、
生命の最末端の単位といわれています。
3.タンパク質とは
三大栄養素は、タンパク質、脂肪、糖質、ですが、最上級の第一の物質は、
タンパク質です。最近は、プロティンという言葉が流行語になっていますが、
これはタンパク質のことです。
この語源は、ギリシヤ神話に出てくる第一の神、ブロメテイオスからきたもので、
最上級という意味でつけられたものです。すべての生物体は、細胞からできて
いますが、細胞の原形質を成しているのは、タンパク質です。
細胞は常に、新陳代謝をくり返しながら構成されています。いい例が、アカと
して新旧交代をくりかえす皮膚の新陳代謝にいえます。
内臓ですと、たとえば普通肝臓のタンパグ質が2〜3週間で約半分が入れ替
わり、筋肉のタンパク質が4ケ月で約半分入れ替わるのですから、たいへんな
新旧交代がくり返されていることがわかります。
又、古い細胞と新しい細胞の入れ替わりは、非増殖性細胞といわれる脳細胞
や心筋細胞は別として、例えば、赤血球は120日、白血球は13日、小腸の
内壁の細胞はなんと1日半、骨は約1年間で新しい細胞と入れ替わります。
また、病気にかかるとその部分は細胞が死んでしまいますので、ただちに新し
く作り替えなけれぱいけません。その原料はすべてタンパク質です。そのタン
パク質は食品として摂取してはじめて役に立つのです。
しかもタンパク質の代謝は高速度で行なわれていきます。タンパク質は極めて
多くのアミノ酸が結合してできたものですが、個々のアミノ酸を食べても役に立
たないのです。タンパク質を切りきざんで、少さい分子のオリゴペプタイドの状態
でなければだめなのです。それは、アミノ酸の単一物質では胃の消化液で分解
されてしまうからです。
4、ペブタイドの薬効
ここまでのべてきたペプタイドは、生体を維持する物質構成に大きな作用を持
つ事がおわかりいただけたことと思います。
このオリゴペプタイドを鯖にもとめてみたのです。鯖は日本近海でとれる大衆魚
ですがふしぎにも、これはむかしから薬用魚としても用いられていたのです。
脚気の薬としてです。脚気はビタミンBの不足によりなる病気といわれていまし
たが、それを補っただけでは治らず、結局はタンパク質の不足を補ってはじめて
治るといわれています、また目がよくみえるようになり、胃腸の調子もよくなるこ
とがいわれています。
ところが、今ではそのようなことはすっかり忘れさられ、ジンマ疹のでる魚として
の方が有名なほどです。
鯖のオリゴペプタイドは新鮮な鯖を酵素というナイフを便って、目に見えないほど
小さいアミノ酸が20から50個ほど結合したペプタイドにまで切りきざんだもので
す。よって水によく溶けています。その様子はちょうど、鯖を食べて胃や小腸で
消化を受けた状態とよく似ていると思って下さい。ですから、消化がよく、低分子
ですので、まったくジンマ疹のおこる心配はありません。
鯖が原科ですが、もうこの姿ではもはや鯖ではなく活性のある液体鯖といって
いいでしよう。鯖活性ペプタイドは栄養補助食品としてばかりでなく、色々な病気
を治すためにも手助けできるものであるということがわかったのです。
一方、東京農業大学関係グループを中心とする研究者達は、鯖から抽出した
ペプタイドを便って食品のマスキング剤として応用されたのです。例えば、うどん
やそばなどがコシのあるおいしいものを作る時に用いられたり、パンに入れると
フワッとしたおいしいパンができたり、酢の醸造、滅塩醤油、味噌などに広く利用
し、好成績を得ました。これはちょうど、卵と同じ作用なのです。卵焼きを作るとき
にまず先に油を引きますが、この油はすっかり卵にすわれてしまいます。また卵
に水を入れて卵焼きを作っても、できあがったものはどこにも水が見当たりません
。すなわち卵は油や水とうまく手をむすぶ役目をしたのです、それは白味の中に
入っている アルプミンというペプタイド がしているのです。
このアルプミンは人体の血液中にもたくさんあり、血液中の水や油が分離しな
いようにできており、またのんだお薬の運搬役もしています。
この作用と同じなのが鯖ペプタイドなのです。そこで私たち、近畿大学の薬学部
久保研究室の、鯖研究グループは、鯖のペプタイドは、アルプミンのような作用を
期待して、ラットやモルモットによる動物実験を開始し、次々に新しい効果を発見
しました。
〔1〕鯖ベプタイドの強肝作用
強肝作用を証明するために、鯖ペプタイドの再生肝の実験をしてみました。
ラットのお腹を少し切間し、肝臓の60%を切除します。
次にお腹の切開部を縫合して、切除された肝臓が7日間でどれほど再生したか
を観察しました。7日間、鯖ペプタドを1日に2回食べさせたところ、肝臓の重量
が普通食の場合は3.11±0.09gであるのに対し、鯖ペプタイドを飲ませた群で
は3.26±0.10gというように増殖していました。
肝臓が元の状態に早く回復しているために、当然肝臓中での栄養の代謝が
促進されるので、体重も順調に増加していきます。肝炎の治療には、この肝臓
組織の修復作用の促進は大切な治療方法の一つですので、肝炎の場合の栄
養補助食としてはこの鯖ペプタイドは重要なものになると考えられます。
〔2〕貧血の治療に使える
赤血球がわずかでも少くなると、各細胞に酸素がゆきわたらないために、エネ
ルギーを製造することができません。そのために、身体はだるく、目まいがした
り、顔色が青白くなったり、手足も冷たくなったりします。これが貧血という症状
で、女性に多く見られます。また、女性は、月経、妊娠、出産、授乳というように、
男性に出来ない重要な仕事があり、しばしば貧血を起こす原因ともなっています
。貧血を起こすのは、むしろ食物タンパク質不足によるものであるとされています
。したがって、タンパク質、アミノ酸は充分に供給されなければいけません。
タンパク質不足による貧血には、特にトリプトファン、ヒスチジン、グルタミン酸を多
く含むペプタイドが有効です。もちろん、これは鯖のペプタイドの中にも入っている
わけです。また、貧血を治療するのには、鮪ペプタイドと薬用人参を服用すること
は最も理想的な方法といえましょう。それから、スポーツの猛練習中に起こす貧
血のスポーツ貧血にもこのペプタイドが有効です。
〔3〕腎炎やリウマチに
急性腎炎、慢性腎炎、ネフローゼ症候群、人工透析患者などの食事については、
充分に病院でも配慮されていますが、鯖ペプタイドを主治医の指導のもとで食事ご
とに食べることによって、腎機能が活発になり、小便がよく出て、タンパク尿も低下
し、身体の浮腫、だるさもとれたという症例がたくさんあります。
健康人が鮪ペプタイドを食べても、小便が気持ちよく出るのには、まず驚きです。
慢性関節リウマチ患者にみられる血管外へのタンパク成分の漏出が原因となって
、低アルプミン血症を引き起こします。ですから、タンパク栄養障害にならないよう
注意する必要があります。
ところで、鯖ペプタイドが慢牲関節リウマチに有効な作用はないかと考え、実験を
しました。その結果、動物実験によれば、鯖ペプタイドの抗炎症作用は直接的に
炎症部位に作用しなくても、次々と多発するリウマチに対して、有効性が出てき
たわけです。つまり、徐々に免疫系を正常に保とうという作用、他の部位の骨に
影響を及ぼさないようにする作用と、栄養面での補給が充分あると考えられます。
〔4〕高血圧や動脈硬化の予防
われわれ、鯖ペプタイドの実験グループでは、すでにのべたペプタイドの共通
作用を期待して、鯖ペプタイドの高脂血症改善作用について薬理実験をしてみ
ました。動物を人工的に高脂血症にさせます。そして、高脂血症になった方の
動物に鯖ペプタイドの餌を入れて食べさせると、期待どおり、高脂血症を予防し、
改善することがわかりました。
近畿大学医学部の岡本教投、島根医大の家森教授らを中心とした研究でも、
魚肉のタンパグ質が、重篤な高血圧の発生を著しく抑制し、脳卒中の発症率も
抑制されると発表しています。
〔5〕肥満改善作用
ペプタイドには、脂質の代謝改善作用があることがわかったので、家畜にも良
い影響があり、良質の肉が生産できるのではないかと考え、豚に鯖ペプタイド
を飲み水と共に与えました。すると、普通食を与えたものより、皮下脂肪が簿く、
モモ肉のハリが素晴しく、豚肉業者の話によれぱ、鯖ペプタイドを与えた豚肉は
最良質の肉であるといってくれました。
このように鯖ペプタイドは、実験結果でもわかるように、肥満の改善にも役立ち、
鯖をのみ続けて、やせたという女性が多勢おられ、筆者もまず体重の増加が
ストッブし最近では少しやせはじめました、脂肪は軽いので、体重は目立って
滅少しなくても胴まわりが8cmも少なくなりました。
〔6〕免疲力を高めるベプタイド
体内に細菌やウイルスなどの目に見えない攻撃力のある異物抗原が侵入し
たり、アレルギーのもとになるアレルゲン抗体が侵入すると、マクロファージや
白血球が異物を認識して貪食し、体外排除するように働きます。
もし異物が大量に侵入してきた場合には、ほかにリンパ球が応援にかけつけ、
T細胞、B細胞の力で抗原抗体反応が成立し、体外排除の方向へ進みます。
抗原が多いのにもかかわらず、抗体の産生が少ない場合には、抗原の体外排
除がうまくゆきません。特に肝臓の機能が低下している場合はうまくゆきません。
すでにのべたように、鯖ペプタイドは骨髄での免疫担当細胞の産生の原科となり、
その上肝機能を強化させます。そのために、ペプタイドを毎日利用することにより、
免疫力も増強することが考えられます。
慢性関節リウマチの動物がリウマチになるのを予防したことからも明らかです。
〔7〕外傷、止血、抗菌作用など組繊再生修復作用
鮪ペプタイドの原液を1%含む軟膏剤をつくって、水虫につけるとよく治った例が
ありますが、これはやはり抗菌作用があると考えるべきでしょう。
また、切り傷の時に鯖ペプタイドの原液を直接患部に塗って止血、化膿止め、
組織の再生修復に促進的な作用をした例もあります。
〔8〕皮膚を美しくする
皮膚は外界からの保護という重要な役割のほかに、汗腺があり、体内の温度
調節をしたり、酸素をとり入れたりしてます。さらに体内に入った有害重金属や
外界侵入異物、使い古したタンパク質などを捨てる役目をしています。
そのためには、タンパク質の摂取が重要な働きをしているわけです。
著者自身も、鯖ペプタイドを食べると顔がツルツルしてくるのを何回も体験してい
ますが、たしかにペプタイドは美しい肌を保つのにも役立ちます。
〔9〕骨折を予防し、筋肉強化
最近の学童の骨は、もろくなっており、しばしば骨折の話をききます。
マサチューセッツ工科大学の栄養生化学教授のヤング博士は「老人のタンパク
質合成量は若者よりも40%増加している」と言っていますが、老人は若者より
多くタンパク質を摂らねばなりません。
つまり、高タンパク食は、カルシウムの吸収を促進する作用があるからなのです。
鯖ペプタイドには、カルシウムや良質タンパク源が不足なく含まれているため、
骨折の予防や、筋肉増強作用があげられます。
〔10〕胃潰瘍も治す
胃潰瘍は現代病の1つとされ、ストレスから起こり、治らずに胃に穴をあけたり、
激痛、吐血などをもたらすやっかいな病気です。
鯖ペプタイドを食べると、胃のつかえている人がスーとしたと言い、健康な人が
食べると腹が減ってしかたがないといいます。
これは胃の消化運動が活発になった証拠で、鯖ペプタイドに胃粘膜の血流量
増大作用、胃酸分泌の正常化作用、組織修復機能増強作用などが考えられます。
そこで人工的に動物に胃潰瘍をつくり、鯖ペプタイドを食べさせその作用を観察し
ました。その結果、抗潰瘍作用が認められ、胃液の分泌量を滅少させ、酸度も
低下させる作用がありました。
〔11〕抗ストレス作用
現代社会では、ストレスからの病気が1番多いともいわれています。
鯖ペプタイドをつかって抗ストレス作用の実験をしてみました。抗ストレスホル
モンを分泌する副腎を動物の体内から摘出し、肝臓に薬品でストレスを与えてお
くと、肝機能が低下するのですが、鯖ペプタイドを与えておくと、肝臓内のグリコ
ーゲン量、血糖値の低下を抑制しており、肝臓はストレスをうけても鯖ペプタイド
を投与しておけば抗ストレス作用が働いて、肝臓機能を低下させない作用があ
りました。
〔12〕便秘に効く
鯖ペブタイドを食べ始めると腸の運動が活発になり、大便の量が増え、日頃と
ちがった黒色便が出て、お腹がすっきりしたという話が多く私のところに報告さ
れました。宿便も取れたという話もありますが、これは考えられるのは、鯖ペプ
タイドが腸内細菌の中で乳酸菌のような善玉菌に対して栄養たっぷりの餌を与
えているからといえます。もう一つ考えられるのは、鯖ペプタイドによって、
大便の保水牲がよくなることで、大便が柔かくなり、出口である肛門のすぐ上の
直腸のところで、より便意を感じさせるためではないかと考えられます。
〔13〕糖尿病を予防
糖尿病は、すい臓から出るインスリンというホルモンの欠乏によって起こる病
気で、むかしは、金持ちの美食によるぜいたく病といわれていましたが、現在
は若年層にまで広がっています。糖尿病には†型と†型とがあり、日本人の
ほとんどは†型糖尿病でその原因、としては、第一に食べすぎ、肥満、第二に
運動不足、第三に精神的ストレスなどがあげられます。
その症状は、尿中に糖が多いことから、尿の浸透圧が上昇します。そのために
尿量が増加し、口が渇き、水を多く飲むようになります。
また、血糖値の上昇は、食欲中枢神経を刺激して、多食するようになります。
その他、視力滅退、手足のしびれ、痛み、肩こり、便秘、腹部膨満、疲労感な
どが起こります。この糖尿病に、鯖ペプタイドを食べさせると血糖値が正常値
で安定するというおどろくべき症例が医師から報告されました。そして動物実
験によるその結果は、鯖ペプタイドによる高タンパク食が糖尿病を改善しまし
た。また血糖値を低下させたり、死亡率が低かったということも見逃せない事
実です。したがって、鯖ペプタイド中にはインスリン様物質の存在が予想でき
ました。すい臓で生産されるインスリンホルモンをうまく使いこなす為にも鮪ペ
プタイドは役立っており、最近すい臓でのインスリン生産の不足をする†型糖
報告を受けています。
インスリンホルモンは51個のアミノ酸が結合したペプタイドホルモンですので、
鯖ペプタイドとなじみがよいのでしょう。
〔14〕強精作用
男が一生、精子を作り続けるのに必要なのは、ホルモン作用もありますが、
まずは原科であるタンパク質が必要です。精子タンパクの4分の1はアルギ
ニンです。アルギニンが欠乏すると、精液中の精子の量が減り、アルギニン
を与えると正常に戻ることが明らかになったのです。
鯖ペプタイドの中のアルギニンは、高含有ですから増精子には充分役立ちま
す。鮪ペプタイドをのみはじめてすぐに若い頃のようにモーニングスタンドした
という中年が多く、これを目的に毎日のみ続けている人がおられます。
〔15〕酒の解毒を早めるベプタイド
アルコールの解毒には、食物タンパク質が必要です。良質のタンパク質を
お酒をのむと同時に摂取しなければ、アルコールは解毒できません。
少々飲みすぎたかなと思う時でも、鯖ペプタイドを食べている限りでは大丈
夫のようです。私自身も、酒が好きでよく飲みますが、お酒をのむ前に、店
にキープしてある鯖ペプタイドを10粒ほど食べておくと、次の日、酒の残り
が気になりません。
この効力はいかなる漢方薬をもってきても、足もとにも及ばないほどです。
もしお酒を長時問のんでいる時には、2時問後にもう一度鯖ペプタイドを
10粒飲むとまた解毒が促進されます。
おいしいお酒で身体をこわしてはなんにもなりません。